着情報３．完全原稿

『唯一人の神』
聖書箇所：コリント人への手紙第一8章4〜6節
中心聖句：『「世の偶像の神は実際には存在せず、唯一の神以外には神は存在しない」ことを私たちは知っています。』(コリント人への手紙第一8章4節)　　2023年6月4日（日）花の日主日礼拝説教完全原稿

　本日は花の日です。地域の方や、身体の弱わられている方を訪問してお花を贈りましょう。お花は、貰うと心が安らぎ癒しとなります。しかし、世の多くの人にとっては、これがただの現実逃避にしか見えないかもしれません。自分の問題は自分で解決せねばならず、花を貰っても、何の問題解決にもならないことを良く知っているからです。しかし、私たちクリスチャンは、自身の信仰の経験を通して、花を贈ることが、ただの現実逃避ではないことを良く知っています。唯一の神様が、その花を用いて、全てを良きにして下さることを知っているからです。

　今日の箇所でも、パウロは、「私たちが神と呼ぶ方は、三位一体の神のみであり、この他にいかなる「神」と呼べるものも存在しない」ことをはっきり確認しています。キリスト教が「一神教」と呼ばれる所以がここにありますが、私たちは、これを良く学ばねばなりません。

　この世界には、当たり前の事ながら、人間の創作した神が、その設定のまま実在するということはありません。しかし、それと同時に私たちは、「偶像の神を自称する霊的ななにか」が存在しているらしいことも良く知っています。私たちが、サタンとか、悪霊とか呼んでいる存在がそれに当たるのですが、この悪霊たちは、あらゆる宗教で実在すると吹聴され、信仰されている神々に扮し、その信者に神通力や、御利益などの霊的な力を与えて、その設定の神が実在しているように、私たちに見せるのです。　それ故に、私たちは世の中には多くの神々が実在しているように思わされるのですが、例えそのような霊的な存在が実在していたとしても、私たちにとっての多くの「神」、多くの「主」という存在には決してなり得ないのです。

　そもそも「神」とはどのような存在でありましょうか。少なくともパウロは、5-6節で、例えそのような霊的存在が天や地に実在していたとしても、私たちには唯一の父なる神、唯一の主イエス・キリストが居られるのみであると主張しています。何故なら、この世界の秩序は、唯一人の神様の手によってのみ造られ、今この時も管理されているからです。
　私たちの存在しているこの世界は、この唯一の神様が創造された秩序と法則によって支配され、地上の小さな草花から、ミクロの世界の素粒子、宇宙の全ての天体に至るまでがこのルールに従って動いてます。私たちとて、この世界の「仕組み」から逃れられません。この世界の法則を探って利用することは出来ても、書き換えることは出来ないのです。それは、「神」を自称する霊的な存在とて同じ事です。霊的な力によって何かことを起すことが出来たとしても、その霊的な自称「神」には、「e=mc2」の数式一つすら書き換えることが出来ません。

　ならば、「自称神」も含め、全てはこの世のあらゆるものと大差ないのです。津波を起こす「神」も、海にはかないません。しかし海は、父なる神様の引かれた境を常に越えることがありません(エレミヤ書5章22節)。火を司る「神」が居たからとて、一体何になるでしょうか。空の太陽ですら、父なる神様の造られた作品の一つに過ぎないのです。どのような力ある神も、この世界の法則に触ることもできないのですから、それはただの猛獣と大差ないのです。

　だから、私たちは、この世界を統べ治められている方のみを、「神」と呼んで礼拝します。そしてこの方は、御隠れにならず、御自身から、私たちを「愛している」と、聖書のみことばによって伝えて下さっているのです。故に、私たちは父なる神様だけを「神」と呼び、イエス様だけを「主」と呼びます。この三位一体なる方だけが、私たちの唯一人の神なのです。





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