着情報３．完全原稿

『神の御子へ近づく』
聖書箇所：マタイの福音書2章1〜12節
中心聖句：『その星を見て、彼らはこの上もなく喜んだ。』(マタイの福音書2章10節)
　2023年12月24日（日）クリスマス礼拝説教要旨

　クリスマスおめでとうございます！　神の御子である救い主、イエス様の誕生を共にお祝いしましょう。クリスマスは、救い主(キリスト)であるイエス様が、子なる神の姿から人間となられ、この世に生まれられたことをお祝いする日です。24日の日没後から、25日の夕暮れまでの時間を、プロテスタント教会ではクリスマスとしてお祝いします。イエス様が誕生されたことは、私たちの、全ての人類にとっての福音です。それ故に、この天地を創られた父なる神様は、このイエス様の誕生をお祝いする為に、地の果てまで多くの人を招かれたのです。

　天の父なる神様に招かれ、御子の誕生をお祝いする為に、一番遠くから馳せ参じたのが今日の箇所に登場する、三人の博士達でした。伝承によれば、バルタザール、メルキオール、カスパールという名前を持つこの人たちは、神の民であるユダヤ人では無いにも関わらず、イエス様をお祝いする為に遠くから旅をしてやってきたのです。彼らは、占星術師とか、魔術師とか呼ばれていた人々であって、本来ならば魔術や占いをお嫌いになられる神様から一番縁遠い存在と言える人々でした。そのような彼らが、ユダヤの王が誕生されることを知り、お祝いに駆け付けようと考えたのは、特別な星によって招かれたからです。この不思議な星によって招かれた事で、博士達は救い主の誕生をお祝いする為の長い旅を始めたのです。　博士達の旅は、イエス様が誕生された夜から始まり、遥か東の国からイスラエルのベツレヘムまで続くものでありました。その旅路は数年がかりとなり、博士達が星に導かれてベツレヘムに辿り着く頃には、既にイエス様は二歳程になっていたことが判ります。博士達に、それだけの長い時間旅をしてでも会いに行く決断をさせる程、その星による招きは特別なものであったのです。

　さて、それほどまでに特別なこの星は、この三人の博士にだけ見えた啓示であったのでしょうか。そうではなかったはずです。星は普く平等に見えるものですし、地形に関わらず、知識さえあれば誰にでも見つけることが出来るものです。しかし、この星を見つけて実際にイエス様を訪ねてきた人は、この三人の博士のみでありました。他の人々は誰も、例えユダヤ人や祭司、特別な聖職者であっても、この星を見てイエス様を訪ねようとは思わなかったのです。天の父なる神様の招きは広くとも、実際にそれに応答して行動する人はあまり多くありません。しかし、博士達のように行動を起こす人がひとたび現れたならば、神様はとても大きな御業を起こして、必ず御許へと導いて下さるのです。見て行動を起こす人は少なくとも、行動を起こして辿り着けない人はいません。博士達が、星を見てこの上もなく喜んだのは、自分達が招かれ受け入れられていることを確信したからです。同じように神様は、近づこうとする人全てを喜ばれ、必ず受け入れて自らの懐へと招いてくださるのであります。だから、誰でも望めば、この星に導かれるように、必ずイエス様と出会うことが出来るのです。残念ながら、この特別な素晴らしい星は、もう現代では見る事ができませんが、博士達を星によって導かれた神様が、私たちを救い主の元へ導いて下さるということは、今も決して変わる事がないのです。

　星を見ても行動せず、救い主に出会えなかった人は、大勢居たと思います。しかし、行動を起こした博士達は、イエス様に出会うことが出来ました。信じて行動を起こす時、神様はそれが正しいことを知らせる為に、私たちに大きな御業を為して下さるのです。神様の御業は、信じる為でなく、信じたことが正しかったことを確信する為にこそ起こされるものだからです。だから私たちも、ひとたび救い主の報せを聞いたのならば、恐れずに神の御子へ近づく行動を起こしましょう。博士達のように導かれて、イエス様の御許に皆で集おうではありませんか。



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