着情報３．完全原稿

　名古屋教会は、昨日で55周年を迎えました。今も健在であることを、主に在って、心より感謝致します。今日もこうして皆さんが集い、礼拝を守ることが出来ている名古屋教会ではありますが、その歩みは決して、常に順風満帆だった訳ではありません。時には援助が得られなかったり、始めた伝道活動がとんざしてしまったり、金銭的に苦境に立たされたりなど、教会全体が苦難を通った機会も決して少なくなかったと思います。しかし、それでもこの教会は、神様の御手の業によって建ち、保たれ続けてきました。私たち人間の目からみれば最善とは見えないような道のりを通ったのだとしても、そこには主の御計画と御手の業があったのです。

　私たちも人間ですから、常に最善でありたいと願うのは当然のことではないかと思います。教会のことに限らず、自分の行動を振り返る度に、「ああしておけば良かった」とか「こうしておけば良かった」など、色々考えてしまうのも避けられないことでしょう。この名古屋教会の歴史とて、振り返って見れば決して最適解と言える選択が出来たことばかりではなく、心残りな出来事も多かったと思います。しかし、聖書はどれだけ最適な道を選んだとしても、そこに神様が関わっていないのならば、全ては空しく無意味であるとはっきり告げているのです。
　人間は、未来を見通したり、完全に予知したりすることは決して出来ない存在です。「未来のことは隠されており、人間にはそれが判らない」と、聖書にもはっきり書かれているからです(伝道者の書6章14節)。だから人間の目から見てどれだけ最善の選択をしても、その未来が期待した通りの最善の結果になる保証はどこにもありませんし、同じように、人間の目から見て最善とは言えない選択をしても、結果的にそれが最善だったと言わざるを得ない状態につながることも珍しくはないのです。私たちクリスチャンは、歴史を振り返る際にこのことを決して忘れてはなりませんし、自らが世と違う法則を歩んでいることも弁えねばなりません。

　何故、これらのことを決して忘れず、弁えねばならないのかと言えば、世の人々と違って、私たちの信仰生活（特に教会の歩みや歴史）は、常に神様の御手の業によって絶えず介入され続けているからであります。この世界の中で、唯一神様だけが先々のことまでを全て見通すことが出来る方です。神様は真実で正しい方でありますから、御自分を信じて慕う人の選択が最善から外れてしまっていたとしても、そこに介入して、最終的には最善の結果へ導いて下さるのです。だから私たちの歩みは、選択と結果が常に連動するわけではありません。たとえ最善の選択をしていたとしても、私たちの行動や心根が神様の目に悪しきものであると映るなら、神様はすぐにでも介入して、最善からほど遠い結果を与え戒めることもされるのです。私たちは時代の節目で、教会や自分の人生のこれまでの歩みについて振り返る機会が与えられます。その時に見るべき大切な部分は、自分たちのとった選択が妥当だったかどうかではなく、その選択の結果、神様がどのように介入してくださったかという所なのです。神様の介入無しに、人間の知恵のみで最善を追い求める行為は愚かであると聖書は常に警告しています。だというのに私たちは、神様が介入された事実よりも、自分たちの選択の良し悪しや、問題を自力で解決できたかどうかの可能性ばかり考えて探ってしまうのです。ここに人間の罪があります。

　名古屋教会は、神様の御計画と御手の業によって、これまでの歴史を歩み続けてきました。私たちは決して世の人々のように賢くありませんが、誰より知恵のある神様が手助けしてくださるので、いつでも「我々は最善の道を歩んでいる」と自信を持って証しすることが出来るのです。神様の御手の業に信頼し、主の建てられた家で力強く共に歩んで行きましょう。




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