着情報３．完全原稿

『内に居ます霊』
聖書箇所：ヨハネの手紙第一4章1〜6節
中心聖句：『私たちは神から出た者です。神を知っている者は私たちの言うことを聞き、神から出ていない者は私たちの言うことを聞きません。それによって私たちは、真理の霊と偽りの霊を見分けます。』(ヨハネの手紙第一4章6節)
　2023年5月21日（日）　ペンテコステ礼拝説教完全原稿

　本日は、ペンテコステです。ユダヤ教の、五旬節というお祭りの日に起こったこの出来事は、神の御霊をイエス様が送って下さるという、素晴らしい約束が実現した日であり、全教会の創立記念日でもあります。この時、ペテロが宣言した通り、ヨエル書の預言が実現し、すべての人に神様の霊が注がれ、誰もが福音の約束を確信できるようになりました(使徒2章16-21節)。

　しかし、その一方で、この二千年の間に、「神の霊を受けた」と自称し、多くの兄弟姉妹達を惑わす、偽預言者も多く出現し続けてきました。「キリストの御霊を受けた」と言いながら、キリストに従わず、「神の御霊によって行動している」と言いながら、他の兄姉から違和感を覚えられるような行動を取る人々によって、教会はいつの時代も悩まされ続けてきたのです。

　その傾向は、私たちの時代において、余計に強くなり続けています。人々は聖書に書かれている通り、健全な教えに耐えられないようになり、神の御言葉に目を向けず、耳障りの良い、生活に役立つ恵みばかりを求めるようになってまいりました(�Uテモテ2章3-4節)。

　その需要にこたえるかの如く、「神から出ていない違う霊」達もキリストの福音ではないものを宣べ伝え、弱い人々を惑わし、躓かせており、今や様々な教会の中枢に入り込んで、神の民そのものを堕落させるように働き続けています。例えば、クリスチャンの情報を発信するはずの団体が、異端の本を送付してきたり、キリストの福音と違う福音を語る本が出版されるなど、教会の中に吹き荒れる患難の嵐は、すぐそこまで迫ってきているようです。
　そのような時代であるからこそ、本日の箇所でヨハネが勧めているように、私たちは、各々が与えられている神の御霊によって、正しい霊の行いを見分けて行かなければなりません。それではどのようにして、「神の御霊と違う霊」を、私たちは見分ける事ができるのでしょうか。

　聖霊様の働きと、その表れ方、は本当に多様で千差万別ですが、その霊は常に一つです。だから、私たちは、誰もが口をそろえて「キリストは主である」と告白することができますし、何が神の御心であるのかについても、互いの一致によって確信することができるのです。例えば、大きな問題が教会に発生した際、世々の教会は、公会議の集まりによってこれを解決してきました。私たちが信仰告白に用いる使徒信条も、ニカイア信条も、そのような各々の御霊の導きと一致によって、正統教会の歴史の中で、確信をもって承認されてきたのです。
　私たちは神の御霊を共有しているので、教会の中に間違った教えや行いが入り込んだ時、それを違和感や恐怖、気持ち悪さと言った形で示され、各々がそれを悟ることが出来ます。聖霊様によって、私たちは、心の内を騒がされ、それが拒絶すべき何かであることを知るのです。また、それが正しい事であるならば、互いの心の平安によって確信することもできます。

　先々週にも学んだ通り、聖霊様は、周囲からの戒めや諫言といった形でも私たちを導いて下さり、進むべき道も、戒められるべき道も全て知らしめてくださいます。聖霊様は、私たちをこの世に送り出す為に、父なる神様と、主なるイエス様が、一方的な善意で与えて下さった贈り物であり、道しるべなのです。この聖霊様の導きは、互いに同じ霊を共有する群れの中でこそ大きく発揮されます。だから私たちは、教会に集うということを怠ってはなりません。互いに一致して、悪い霊を教会の中から取り除いて、皆で共に神様にお仕えしていきましょう。


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